武蔵野読書生活

神保町と古書店、そしてうまいカレーが好きな本好きのブログ

夏休み、妄想の海外旅行ならこれ!

 最近、県境のナゾとか変な国ネタなど地理・歴史の本が増えたと思いません?
 私は小国とか、滅亡した歴史上の国、全く架空の国とかが好きだ。小学生の頃、NHKで「プリンプリン物語」という児童向け人形劇が放送されたときなど、主人公一行が毎回新しい国を訪れる度に奇天烈な設定に喜んだ物だ。オサラムームー、アクタ共和国、バルンバ帝国… アクタ共和国の国歌など今でも歌えるw そんな国好きの私なので、ここ数年の国ブームはまさに大歓迎。知人の出版プロデューサーもこのジャンルでコンビニ向けの軽装本を2冊ほど手がけていたので、出版社にとって出しやすいジャンルなのかも知れない。で、そんな私が読んだ中でこれは濃くておすすめ!というものは次の2冊。

 まずは『国マニア』からご紹介。上のamazonリンクは筑摩書房版の文庫本だけど、ウチにあるのは交通新聞社版で、加筆訂正等で若干記述が違っているかも知れませんがご容赦を。こちらは珍国、小国を取り上げ、その国のどこが面白いのか、あるいは興味深いのかを深く掘り下げてくれている。例えば沿ドニエストル共和国旧ソ連の地域が独立宣言をしたところだが、未だにレーニン像が建っていて、今もソ連が生きている国だとか。こんな感じでWikipediaにもあまり書いてないような面白ネタが満載なのだ。寝苦しい夏の夜に睡眠薬代わりに読むのもありかも。

掲載国・地域

バチカン市国モナコ公国ナウル共和国、ツバル、サンマリノ共和国リヒテンシュタイン公国マーシャル諸島共和国、セントクリストファー・ネービス、モルディブ共和国マルタ共和国、アトス山、コソボ自治州アラブ首長国連邦ザンジバルグリーンランドプエルトリコバミューダ、クック諸島、ブーゲンビル自治州、トゥバ自治共和国、クリミア自治共和国、ユダヤ自治州、香港特別行政区チベット自治区沿ドニエストル共和国アブハジア共和国、南オセチア共和国、ナゴルノ・カラバフ共和国、北キプロス・トルコ共和国サハラ・アラブ民主共和国ソマリランド共和国、ピトケアン島、スバールバル諸島、クチビハール、ジブラルタルアンドラ公国、ブガンダ、マルタ騎士団、ビアフラ共和国、東パキスタン、ローデシア、シッキム王国、サラワク王国、北ボルネオ会社領、大東諸島、ニューヘブリデス諸島、中立地帯、ダンチヒ自由市、パナマ運河地帯、満鉄付属地、ホームランド


 で、もう一冊の『世界飛び地大全』は、更に国好き地理好きには堪らない「飛び地」を取り上げた本だ。「飛び地」って何?ってヒトも多いと思うが、例えばパレスチナ自治区。ヨルダン川西岸地区とガザ地区という二つのエリアに分断されているワケで、この場合主都があるヨルダン川西岸地区が本土でガザが飛び地になる。ただし本書によると実際はかなりフクザツで政府機関の庁舎はヨルダン川西岸地区とガザの両方にあり、加えて日本領事館はガザにあるのだとか。いや、よく調べてます。『国マニア』が前菜ならこっちはメインディッシュ。有名どころでは香港の九龍城からインド独立の際に吸収されてしまった欧州諸国の植民地や保護領とか、ほんと細かいところまで拾ってます。まさに教科書では教えてくれない歴史秘話だらけで、こちらは睡眠薬代わりのつもり読むとかえって目が覚めてしまうかも…

 ちなみにこちらは取り上げた地域が多すぎるので入力しておりませんw