武蔵野読書生活

神保町と古書店、そしてうまいカレーが好きな本好きのブログ

万博?万博と言えば大阪万博のことだろう

 上海万博が開催中だ。今年の10月までということで、知人も先日見に行った。ぜひ見に来たいと思っているが、予算とか都合とかで行けそうもない。ちなみに私の中でバンパクと言えば、未だに日本万国博覧会こと大阪万博のことだ。

 実は大阪万博には行っていない、というか家の事情で連れて行って貰えなかったのだ。当時、日本の総人口1億466万人で大阪万博に行った人が延べ6400万人。計算上は行かなかった方が少数派。未だに親を恨んでいて、先月も文句を言った(粘着気質なのだ)。

 とまれ、大阪万博は日本人の心に大きなものを残し、未だに影響を与え続けている。そして行っていないのにバンパクが未だに気になるヒトも居る訳だ。そんな訳で大阪万博の写真集をなぜか先日入手、いやあホント懐かしい写真でいっぱいです(年がバレるなあ)。

 コンパニオンの制服は「サイケ」「ツィギー」などすでに歴史の彼方に消え去ったファッションだし、パビリオンのデザインはレトロフューチャーそのもの…
居住性、快適性から絶対住めないような未来住宅、遂に我々の生活に現れなかった未来キッチン、長風呂のリラックスに縁遠そうな未来バスユニット… でも、写真集の中で見学者はみな目を輝かせて展示物を見ている。この時代、未来には夢があると思われていた時代なのだ。

 そして忘れられないのが「太陽の塔だ。40年経っても未だに古さを感じさせない奇才・故・岡本太郎の名デザイン。今世紀に入ってからでも、「映画 クレヨンしんちゃん 嵐を呼ぶモーレツ!オトナ帝国の逆襲」「20世紀少年」で劇中でシンボリックに登場している。さらに海洋堂から今度、太陽の塔のフィギュアが出るとか。

 職場のデスクに置いたら、アヤシイ美少女フィギュアとは違った意味で注目を集めそうだ。まさに大阪万博が日本人の心に大なり小なり足跡を残していることを感じさせるアイテムだ。

 オリンピックと万博を開催すれば、その国は先進国の仲間入り、とも言われる。日本もかつて経験し、今まさに昇り龍の中国が万博とオリンピックの二つのクエストを終えようとしている。上海万博が開催されている今だからこそ、大阪万博を思い出してみるのも悪くはないだろう。

金星を立体パズルで作る

仕事で都心に出るついでに、ビッグサイトで開催されている東京おもちゃショー2010へ。
先日の日記に引き続き本ネタではないが、趣味の宇宙系アイテムはちょいと期待できるので足を伸ばしてみた訳だ。ということで脱線お許し頂きたい。
さすがに休日だけあって親子連れで大混雑、出展側も各種イベント開催で大いに盛り上げていた。

で、今回出品されていた商品で「おッ!」と思ったのは次の3点だ。

やのまん
球体パズルに金星儀登場


はやぶさ」の帰還以来、なにげに宇宙ブームが続いていて嬉しいところだが、ジグソーパズルのやのまんから金星儀が登場する。これまたマニアックな商品で、実際Amazonで「金星儀」で検索してもこれしか出てこない。月球儀、火星儀くらいならまだともかく…というくらいのレアアイテム。ただ、JAXAの惑星探査機「あかつき」が12月に金星に到着する予定なので、まさにタイムリー。ウチにも月球儀があるが、ぜひ火星儀共々並べたいアイテムだ。


7/18昼には在庫があったのに夜には在庫切れ、人気だなあ… てか発注しておけばよかったorz

●バンダイ
「大人の超合金 スペースシャトルエンデバー」
前作はアポロ11号月着陸40周年を記念して「大人の超合金 アポロ11号&サターンV型ロケット」を発売して企画と値段で度肝を抜かれたものだが、今度はスペースシャトルエンデバーを発売する。本来なら記念すべき第一号シャトル「コロンビア」を選びたかったのかも知れないが、コロンビアは墜落事故で失われているため、健在なエンデバーを選んだのだろう。



精密なパーツを組み合わせることで、打ち上げから軌道上、地球帰還までの各フェイズを再現できるようになっている。

初回特典は宇宙飛行士を発射台まで運ぶアストロバンと宇宙飛行士7名のフィギュア。なんとなく1986年のチャレンジャー打ち上げ事故で亡くなったエリソン・オニヅカ飛行士やシャロン・マコリーフに見えてしまうのは私がジジイだからだろう。


リンク先の写真2枚目にあるようにLEDライトで夜間の発射台の雰囲気まで再現している。渋い…


「大人の超合金 アポロ11号&サターンV型ロケット」は大人気で品薄、値段もまたまた高騰している。もしかすると「はやぶさ」効果なのか?

超合金魂 GX-57 宇宙戦艦ヤマト
前回の超合金魂宇宙戦艦ヤマトを設計し直して秋に再登場するのが「超合金魂 GX-57 宇宙戦艦ヤマト」。確かにデキはいい。大物のヤマト立体製品と言えば1/350プラモデル「宇宙戦艦ヤマト」が数年前に発売されて話題になったが、あれは側面のパルスレーザーの配置がまったく許せず買っていない。なんであんなに原作無視の歯抜けスカスカ配置にしたのか設計者を正座させて聞いて見たいくらいだ。その点、こちらではパルスレーザーに関して密集配置になっていて見ていて気持ちが良い(同じ設計者だったりしてw)。

初回特典は七色星団の決戦でドメル将軍が使ったドリルミサイル(笑)。前回の超合金魂ヤマトの特典はコスモクリーナーDだったけど、毎回いろいろ考えてますね、バンダイさん。値段も前回並ってのが嬉しいところ。

ちなみに「さらば宇宙戦艦ヤマト」「宇宙戦艦ヤマトw」で登場した地球防衛軍旗艦新造戦艦アンドロメダも企画検討中らしく、ヤマトの脇にモックアップが陳列されていた。写真撮影禁止だったので残念ながら載せられないが、早く発売が決まって欲しいものだ。

ということで東京おもちゃショー2010は明日まで。

落雷からデータやパソコンを守れ

いよいよ関東も梅雨明け、夏本番だ。
夏本番というと気になるのが雷。読書と関係ない、と言う人も居るかも知れないが、ウチはスキャンした雑誌データがパソコンに保存してあるので、万が一落雷でHDDがトンだら目も当てられない。

ちなみに落雷事故でウチは電話機を壊されたことがある。近所の高層マンションに落雷があった直後、ウチの固定電話機の動作がおかしくなった。原因は電話線を伝ってきた雷サージ電流。自宅マンションは低層なので落雷はないだろうと思っていたが、まさか近所の落雷でウチの機械が壊れるとはそれまで予想だにしなかった。結局新しい電話機を買うハメになり1万円ほど出費することになりました(泣

以来、落雷対策として電話線や電灯線を雷サージ電流から守るサージプロテクターは必ず設置することにしている。たかだか数百円の投資で代えの聞かない重要なデータや機器を守れるのだから安いものだ。リンク先のサージプロテクターは低価格のものは数百円から。ちょっと前まで値段2000円くらいしたけどずいぶん下がったという感じだ。子供の頃は雷接近!となれば家中のコンセントを抜いた記憶があるけど、常に大事な機器のそばに居られる訳ではないし、備えあれば憂いなしということでオススメです。

※追記
電話機用のサージプロテクターもある。電源コンセントと一体型のものから単体まで様々だ。単体製品ならサンワサプライSANWA SUPPLY TEL-DSLSP テレフォン雷ガードが安くていいかも。


参考
ご存じの方も多いと思いますが、落雷情報を公開しているサイトも雷雲の位置や移動状況が判って便利です。無料のサイトをちょっと調べてみました。


東京電力の雷雲・落雷合成情報の画面。派手に落雷が発生していることが一目瞭然ですな。

気象庁 | レーダー・ナウキャスト(降水・雷・竜巻)
全国の落雷情報 - Yahoo!天気情報
東北電力 落雷情報
東京電力 雷雲・落雷合成情報
北陸電力 気象情報
中部電力 雷情報
関西電力 落雷位置情報
九州電力 雷情報インターネット

なお、冒頭の写真は昨年撮影した落雷の瞬間。フレームからはみ出ているけど、画像一番太い雷が撮影していた自宅マンションからわずか数百メートルのところに落ちた。ほとんど目の前という感じで、閃光と轟音で落ちた瞬間、マジで死ぬかと思った(汗)

『乙嫁語り』姉さん女房は大手小町の夢を見るか

今、姉さん女房が熱い!
といってもアヤシイ話ではなく森薫氏が19世紀中央アジアを舞台に描く乙嫁語り』第1巻、そして最新刊の2巻がメチャクチャ面白いのだ。
森薫氏と言えば英国での恋物語を描いた『エマ』が有名だけど、まさか今度は中央アジアの若嫁を主人公にした話を書くとは誰も予想していなかったハズだ。

で、中央アジアといっても広い。モンゴルの西、カザフやキルギスなどいわゆる「大草原」が広がるステップ地帯からカラクム砂漠、そしてカスピ海を越え、遥か黒海東岸あたりまでが広大な中央アジアだけど、この物語はコーカサス山脈周辺の黒海東岸の内陸の山岳から平野部が舞台となっているようだ。「ようだ」と書いたのは、作者の森薫氏は本編中で具体的な地名を出していないため、あくまでも想像で語るしかないからだ。

この物語の主人公は20歳の女性「アミル」。上のリンク先コミックの表紙にもあるように目が大きく魅力的な女性だ。その彼女が8歳年下の婿「カルルク」の元に姉さん女房として嫁いだところから物語は始まる。アミルは遊牧民の娘で弓が得意、日本人であればちょっとおかず一品の買い物に行くノリで、気軽にウサギや鳥を射る描写がたびたび出てくる。感想としてこんな嫁さんなら欲しい、の一語に尽きます。作者の森薫さんもアミルを魅力的にするためいろいろ詰め込んだ、とも語っているし…

以下、かんたんにあらすじというかレビュー。ネタバレにはそれほどなっていないハズ。

第1巻ではアミルとカルルクの属するエイホン家の人々の紹介がメイン。当時は寿命が短かったせいか、姑(義母、義祖母、義曾祖母)、小姑ともう賑やかなことこの上ない。まあ、エイホン家の人たちはいい感じだけど、他の家とかも含めれば当時、この地に「大手小町」があったらさぞ大変だったろうと気を揉んでしまうわけだ。「孫娘が鷹の刺繍にしか興味なくて困ります」「母が言う嫁心とはなんでしょうか」「嫁入り道具に弓矢は必要?」「嫁に出した娘を(略)」などなどいろいろなテーマで盛り上がりそうだ(妄想)。
そして第2巻では実家との諍い、布支度(ぬのじたく)など異郷の風習が描かれている。この「布支度」という単語はググっても、このマンガに関連するものしか見つけられなかった。実際のものは別の名前で呼ばれているのだろう。

ちなみに作者の森さんは相当このコミックに思い入れがあるのか、アンケートはがきにまでイラストを書き込む凝りようだ。

ハガキのイラスト、右のハガキが主人公アミルと夫のカルルク、左のハガキがアミルの初めての友人かつツンデレ女子 パリヤが描かれている。

日本の歴史コミックには古くは横山光輝三国志に始まり、最近では『ヴィンランドサガ』ヒストリエなど多くの作品があるが、この乙嫁語り』も傑作歴史コミックに仲間入りするのは間違いない。
しかし『テルマエ・ロマエ』などエンターブレインは最近歴史系のコミックで面白いのが増えているような気がするのは私だけ?

『学園黙示録』登場兵器編

今週は『学園黙示録 HIGHSCHOOL OF THE DEAD(ハイスクールオブデッド)』第6巻発売、そしてアニメ放映とファンには大きなプレゼントが相次いだ。
アニメ「学園黙示録 HIGHSCHOOL OF THE DEAD」ACT.1は佐藤ショウジ氏のコミックの雰囲気を高いレベルで映像化し、完成度の高い映像クォリティを楽しめた。製作スタジオは数々の名作を作り続けたことで定評あるマッドハウス。「奴ら」の動きもいかにもゾンビらしいイメージ通り、生徒や教師が襲われ、校舎が「奴ら」で溢れているシーンはアニメならではの描写で圧巻だ。忘れてはならないのが原作で頻出するお色気シーン、アニメでもちゃんとイイ按配で要所要所に「揺れ」「アオリ」などサービスカットが挿入されているので無問題だ(笑)。ACT.2以降も大いに期待したい。



ご注意
※今回は結構ネタバレしているので、コミック第6巻を読んでから見て貰った方がいいです。




さて、コミック『学園黙示録 HIGHSCHOOL OF THE DEAD』第6巻は期待通り、相変わらず「エロとバイオレンス多めのテイスト、要所に散りばめた佐藤節」という泣かせる構成だ。
ちなみに本巻における佐藤節はACT.23、ACT.25の最後のあたりがそれ。佐藤節にもいろいろあるが、今回の佐藤節は『征途』の第3巻巻末のJDS「やまと」艦砲射撃シーン、『地球連邦の興亡』第4巻巻末リェータ宇宙港シーンなどと同じく「ぐッ」と来る「泣ける佐藤節」だ。※過去の佐藤大輔作品もおいおい紹介したいと思っている。
なお、参考までに登場するヘリコプターなどについて簡単に解説したい。

OH-1ニンジャ
ACT.24冒頭に登場するヘリは陸上自衛隊のOH-1で、自衛隊が装備している国産偵察ヘリコプター。実際に配備されている機体だ。ただし、現時点では実機は非武装で運用されているため、劇中にある武装(機関砲やロケット弾)は装備されていない。


OH-1の任務は偵察、索敵など。搭乗員は2名。劇中では機首に30mm機関砲、両翼に多目的誘導弾が搭載されている設定だが、実機には武装がないことがお分かりだろう。


前方より見たところ。被弾率を下げるため、前方投影面積を抑えた機体形状となっている。

劇中で武装OH-1が使用している「96M」と呼ばれている兵器は、実際は車輌で運用されている96式多目的誘導弾、通称「96マルチ」を指すと思われる。

※弾頭の写真があれば、と思ったが発射機しかなくて申し訳ない…

写真は発射機を備えた車輌で、後部荷台に誘導弾が搭載されている。名前の通り1996年制式化された国産兵器で、光ファイバーで弾頭より赤外線映像を送り、車輌側からコントロールすることで見通しの利かない場所でも攻撃できる。射程は10km程度と言われている。劇中ではOH-1の武器ポッドに「96M」が搭載されている、という設定になっている。本来は戦車ですら撃破可能と言われているので、非常階段の破壊に使用するのはかなりオーバースペックと思われる。
ちなみに愛称のニンジャというのは、公募で付けたモノだが最近はあまり聞かないなあ。

UH-60JA多用途ヘリコプター ブラックホーク
その後、上空から兵士を降下させたヘリコプターが登場するがこれはACT.1にも登場したUH-60JA多用途ヘリコプター「ブラックホーク」だ。米国製の機体で、陸海空三自衛隊で救難、隊員輸送用ヘリコプターとして導入されている。

その後機体側面のドアから隊員が降下しているが、これはリペリング降下と言われるもので空挺部隊などで行われる難易度の高いものだ。

輸送艦
参考までに劇中陸自隊員の台詞で「沖合の輸送艦から来た」というくだりがあるが、これは海上自衛隊の「おおすみ」型輸送艦を指すものと思われる(劇中には未登場)。

1/700 ウォーターラインシリーズ No.6 海上自衛隊輸送艦 LST-4002 しもきた 31006

1/700 ウォーターラインシリーズ No.6 海上自衛隊輸送艦 LST-4002 しもきた 31006


リンク先の画像を見ると判るように「おおすみ」型輸送艦は空母船形を採用し、ヘリコプターの離発着が可能な平甲板を持つ。本艦は通常OH-1等など固有の航空機は搭載していないが、海外派遣や演習などで搭載していた状態だった、ということなのだろう。
ちなみにリンク先のタミヤの1/700ウォーターラインシリーズ「しもきた」は、平甲板部分が透明パーツになっていて、車輌など艦内に収容した機材などをそのまま見ることが出来る。私はこれが発売されたことを知らず、透明パーツが同梱されていない1番艦「おおすみ」を買ってしまい、後から大変悔しい思いをするハメになった。

ということで、今回はかなりミリオタテイストでお送りしてみた。

『学園黙示録 ハイスクール・オブ・ザ・デッド』

もうすぐ『学園黙示録 HIGHSCHOOL OF THE DEAD』第6巻が発売される。ということでおさらいの意味で床主市の特徴をまとめてみた

★床主市の特徴

陸上自衛隊のヘリコプター部隊は駐屯していない(第1巻ACT.1で学園上空に飛来したブラックホークに向かっての台詞)
・市街地の向こうに海がある(第1巻ACT.1)
陸地と橋で繋がっていない洋上空港があり、滑走路はB747が離発着可能(第2巻ACT.5)
・道路標識に「床主城」「床主洋上空港」「城南渡船場」「床主大橋」などの存在が明示されている(第2巻ACT.5)
・床主大橋の封鎖線の放送で「御別橋」(おんべつばし)という橋の存在が示されている(第2巻ACT.5)
・床主城のすぐ脇に「御別川」がある(第2巻ACT.5)
床主城は5層の天守を持つ城郭(第2巻ACT.5)
・車のナンバープレートに「床主」の文字がある(第2巻ACT.5)
・床主市の封鎖は県警本部の指示で実施(第2巻ACT.6)
・床主市の電力は北方にある奥名湖(ダム湖)で発電、供給されている(第3巻ACT.10)
床主洋上空港には空港署、機動隊、海上保安署、税関があり、職員は2万人(第4巻ACT.13)
・大型のショッピングモールがある(第5巻ACT.18)
・平野コータが眺めている風景、市街の後背に山地が広がっている。奥名湖の存在とあわせると山地は北方に広がっている可能性がある(第5巻ACT.19)

こうやってみてみると、どうみても実在の都市じゃないよなあ。洋上空港で陸地と繋がっていないトコは現実に国内には存在していないし… ただ、文中の台詞で北海道や九州、沖縄に逃げる、というようなものがあったので、それ以外の地域、本州や四国にある、という設定なんだろうなと思う。あと「御別川」という名称は、いわゆる「ナントカベツ」的な蝦夷、アイヌ語系の地名っぽいような印象もするので、意外と東北地方の仙台あたりを原型にイメージを膨らませたのが床主市なのかもしれないな(想像だけどね)。


『アイアムアヒーロー』エア聖地巡礼(後編)

さて主人公鈴木英雄の足取りを追うエア聖地巡礼も勢いで後編をば。移動距離約110kmで、前編石神井編の移動距離数キロ程度とは大違い。第3巻を読めば判るけど、複数の交通手段を使って居る訳だ。

ご注意
※今回の後編は結構ネタバレしているので、コミック第3巻を読んでから見て貰った方がいいです。

あっという間に某名所にたどり着く西方編

『アイアムアヒーロー』ヒーローは西へ編 - 地図Z

主人公鈴木英雄は石神井公園駅東側の踏切から駅構内へ(1)。まだ、正常に運行してる下り方向西武電車に運良く乗車する。途中駅に停車する描写がないので、この列車は「快速急行」か「急行」と思われる。ただし停車駅の所沢を通過してしまい乗客が不審がる描写があり(第2巻第22話)、これも推測だが運転手がこの時点で例の病気を発症し、人事不省に陥っていた可能性は高いだろう。途中、航空自衛隊入門基地(入間基地ですな)で発症した隊員が他の隊員を襲っている描写がある。

車掌がブレーキを掛け、暴走状態(?)だった列車は入門市駅に到着する(2)。駅構内の電光掲示板の時刻表示をみると7時代となっている(第3巻第24話)。最近は列車遅延が発生した場合、当初走るはずだった時刻を表示することがあるので、主人公が駅構内にいる時間が正しく7時前半なのかは不明だが、とりあえず時刻は7時代か8時代の可能性が高い。ちなみに手元にあるJTB時刻表を見ると、通常、石神井公園入間市駅間は急行なら約30分で到着する。ただし、途中駅に一切停まっている描写がないので、もしかすると20分くらいで走破している可能性がある。黒川さんのアパートに6時頃に行って、その後松尾プロから石神井公園駅という流れならば最低1時間以上は電車に乗るまで時間経過している可能性があるので、入門市駅には8時代到着の可能性は高いだろう。

さて主人公は命からがら電車より脱出し、駅前ロータリーでタクシーを拾う。で、他の客と相乗りになるわけだ。相乗り客の一人が横田基地第5ゲートそばの軍病院に行きたいとのことで、タクシーの行き先が決まる(第3巻第24話)。
国道16号線を南下するタクシー、しかし諸事情で第2ゲートでタクシーは停車し、乗客1名が降車することになる(第3巻第25話)。ここで登場する米軍横田基地航空自衛隊入間基地に比べ、比較的秩序が維持されている描写となっている(一部住宅などが炎上している描写はあるが)。今回の病気について、米軍は自衛隊より何か情報や防護手段を持っていたのかもしれないなあと思う訳だ。

その後、タクシーは主人公と運転手だけとなり、一路中央高速で西に向かう。途中、支線の中央高速富士吉田線に入る。ローランド遊園地(富士急ハイランドですな)が見えた所で主人公はタクシーを降りることに(4)(第3巻第27話)。ここいら辺の描写がまた鬼気迫るものがあるんだよなあ。
主人公の腕時計の時刻で11時58分。朝、家を6時前に出てまだ6時間くらいしか経っていない訳だ。

その後、主人公は一人で森林に入る(5)(第3巻第28話)。ちなみにここで出てくる「富士ビネターセンター」は実際には「富士ビジターセンター」、「剣九尾溶岩流」は「剣丸尾溶岩流」のこと。

ということで主人公は富士の麓にまで来てしまった訳ですな。結構、休載が多くてもどかしいけど、ホント楽しみにしている作品なので、作者の花沢健吾さんには引き続き話を盛り上げて行って欲しいものです。