武蔵野読書生活

神保町と古書店、そしてうまいカレーが好きな本好きのブログ

ヤマト大クロニクル…ファンならば一読の価値がある好著

ヤマト実写版「SPACE BATTLESHIP ヤマト」を見てきた。様々な前評判があり、さらに先に見た人々の評価等々、期待と恐れを持ちながら映画館に足を運んだ。

もう、冒頭から泣ける泣ける…、沖田艦とゆきかぜのエピソード、沖田艦を追い抜いて地球に落下する遊星爆弾、ヤマト乗員と地球に残した家族との交信シーン…などオールドファンなのでツボにハマりまくり。実写版を通じて初作のすごさも改めて認識した次第。
主役キムタクは好悪評判様々だが好演していた印象(いつ「ちょ、待てよ!」と言うかと期待していたが言わないし)、健康的なお色気を発散する黒木メイサの「漢」っぷりもイイ。一番ハマっていたのはギバちゃんの真田さんだな。本人も総統wじゃない相当真田さん好きみたいで演技に違和感が全くない。あと忘れちゃならないのが橋爪功演じる地球防衛軍長官。これがまたカッコイイんだよな。取材記者を一喝するシーンや沖田とのやりとりとか… ああいう上司のもとで働きたいと強く感じたのでありました。まさかデスラー、というか伊武さんもまさかあんな形で登場するとは思わなかったし、あそこはホント、ファンサービスだよなあ。
もろもろ楽しみつつあっという間に2時間終了。ただ戦闘シーンは今風なんだけど、エヴァとかスターシップトルーパーズの影響が感じられたのは気のせいか?
それでも2時間ちょっとの時間制限の中で、あれほどの広がりを持った作品をまとめきった上で、続編制作のスケベ心なしで完全燃焼させた山崎監督の心意気は大いに買いたいところだ。

このタイミングに合わせて松本零士氏監修、伊藤秀明氏編集で「ヤマト大クロニクル」が登場した。オールドファンなら徳間書店の「ロマンアルバム」シリーズを覚えているかもしれないが、まさにあのイメージで各種設定資料やインタビューが掲載されている。

本書には「宇宙戦艦ヤマト」第一作の貴重な設定資料やセル画、背景画等がカラーで100ページに渡って掲載されている。カラーページは全部で130ページなので、ほとんどが第一作の資料紹介に割かれていると言うことになる。かつてのロマンアルバムでは設定資料は紹介されても、実際に使用されたセル画そのものや番宣資料等はあまり掲載されておらず、数十年にわたってヤマトファンをしている私も初見のものがほとんど。まさに貴重な資料満載で歴史的な資料価値も高い一冊だ。
2009年の「ヤマト復活編」やパチンコ「CR ヤマト」など相変わらず根強いヤマト人気が続く中、資料が散逸する前にこのような名著が世に出たことを素直に喜びたいと思う。ということで最近は晩酌しながらちょっとずつ本書を読むのが楽しみなのでありましたw