武蔵野読書生活

神保町と古書店、そしてうまいカレーが好きな本好きのブログ

図説・幕末戊辰西南戦争―決定版 (歴史群像シリーズ)出版社/メーカー: 学研発売日: 2006/07メディア: ムック購入: 1人 クリック: 27回この商品を含むブログ (6件) を見る

うちの母方の先祖は伊達藩某支藩の足軽頭で、戊辰戦争の時は奥羽山脈を越えて秋田藩領へ攻め込んだらしい。現代に於いてなお佐幕派の私としては、秋田藩が奥羽越列藩同盟を裏切らなければなあ、と時たま妄想することが…

ということで今回は戊辰戦争関連のムックをご紹介。このムック、歴史群像シリーズでこの手のムックを作り慣れている学研らしく、大変わかりやすい構成だ。トピックを時代順に並べた形式で、再現イラストと復元写真などが多用され、実際の事件や戦闘がどのような状況で起きたのかが理解しやすい。当時の幕府軍の歩兵隊の軍装や、幕府海軍の軍艦の復元図など、幕府軍マニアの私には大変有り難いイラストが多数掲載されている。戦場の俯瞰図、当時の江戸の京の町並みの鳥瞰図などはぼーっと眺めているだけでも面白い。この大路から細道に入り新撰組の追っ手を撒いて…みたいな妄想に耽るのも一興だろう。
ただ、逆に当時の主要人物の動きなどはあまり取り上げられていない。あくまでもイベント主体の構成だ。そういう構成のため、幕末に活躍した志士の人間ドラマなどを読みたい人には、多少物足りないかもしれない。そういうものが好きな人は、本ムックを当時の社会背景や武器、兵器を理解するためのビジュアル資料として活用すると良いだろう。

値段も1,900円と決して高くは無いので、時に歴史の彼方を思うための資料として、機会があればぜひ一読をお勧めしたい。