武蔵野読書生活

神保町と古書店、そしてうまいカレーが好きな本好きのブログ

『学園黙示録』登場兵器編

今週は『学園黙示録 HIGHSCHOOL OF THE DEAD(ハイスクールオブデッド)』第6巻発売、そしてアニメ放映とファンには大きなプレゼントが相次いだ。
アニメ「学園黙示録 HIGHSCHOOL OF THE DEAD」ACT.1は佐藤ショウジ氏のコミックの雰囲気を高いレベルで映像化し、完成度の高い映像クォリティを楽しめた。製作スタジオは数々の名作を作り続けたことで定評あるマッドハウス。「奴ら」の動きもいかにもゾンビらしいイメージ通り、生徒や教師が襲われ、校舎が「奴ら」で溢れているシーンはアニメならではの描写で圧巻だ。忘れてはならないのが原作で頻出するお色気シーン、アニメでもちゃんとイイ按配で要所要所に「揺れ」「アオリ」などサービスカットが挿入されているので無問題だ(笑)。ACT.2以降も大いに期待したい。



ご注意
※今回は結構ネタバレしているので、コミック第6巻を読んでから見て貰った方がいいです。




さて、コミック『学園黙示録 HIGHSCHOOL OF THE DEAD』第6巻は期待通り、相変わらず「エロとバイオレンス多めのテイスト、要所に散りばめた佐藤節」という泣かせる構成だ。
ちなみに本巻における佐藤節はACT.23、ACT.25の最後のあたりがそれ。佐藤節にもいろいろあるが、今回の佐藤節は『征途』の第3巻巻末のJDS「やまと」艦砲射撃シーン、『地球連邦の興亡』第4巻巻末リェータ宇宙港シーンなどと同じく「ぐッ」と来る「泣ける佐藤節」だ。※過去の佐藤大輔作品もおいおい紹介したいと思っている。
なお、参考までに登場するヘリコプターなどについて簡単に解説したい。

OH-1ニンジャ
ACT.24冒頭に登場するヘリは陸上自衛隊のOH-1で、自衛隊が装備している国産偵察ヘリコプター。実際に配備されている機体だ。ただし、現時点では実機は非武装で運用されているため、劇中にある武装(機関砲やロケット弾)は装備されていない。


OH-1の任務は偵察、索敵など。搭乗員は2名。劇中では機首に30mm機関砲、両翼に多目的誘導弾が搭載されている設定だが、実機には武装がないことがお分かりだろう。


前方より見たところ。被弾率を下げるため、前方投影面積を抑えた機体形状となっている。

劇中で武装OH-1が使用している「96M」と呼ばれている兵器は、実際は車輌で運用されている96式多目的誘導弾、通称「96マルチ」を指すと思われる。

※弾頭の写真があれば、と思ったが発射機しかなくて申し訳ない…

写真は発射機を備えた車輌で、後部荷台に誘導弾が搭載されている。名前の通り1996年制式化された国産兵器で、光ファイバーで弾頭より赤外線映像を送り、車輌側からコントロールすることで見通しの利かない場所でも攻撃できる。射程は10km程度と言われている。劇中ではOH-1の武器ポッドに「96M」が搭載されている、という設定になっている。本来は戦車ですら撃破可能と言われているので、非常階段の破壊に使用するのはかなりオーバースペックと思われる。
ちなみに愛称のニンジャというのは、公募で付けたモノだが最近はあまり聞かないなあ。

UH-60JA多用途ヘリコプター ブラックホーク
その後、上空から兵士を降下させたヘリコプターが登場するがこれはACT.1にも登場したUH-60JA多用途ヘリコプター「ブラックホーク」だ。米国製の機体で、陸海空三自衛隊で救難、隊員輸送用ヘリコプターとして導入されている。

その後機体側面のドアから隊員が降下しているが、これはリペリング降下と言われるもので空挺部隊などで行われる難易度の高いものだ。

輸送艦
参考までに劇中陸自隊員の台詞で「沖合の輸送艦から来た」というくだりがあるが、これは海上自衛隊の「おおすみ」型輸送艦を指すものと思われる(劇中には未登場)。

1/700 ウォーターラインシリーズ No.6 海上自衛隊輸送艦 LST-4002 しもきた 31006

1/700 ウォーターラインシリーズ No.6 海上自衛隊輸送艦 LST-4002 しもきた 31006


リンク先の画像を見ると判るように「おおすみ」型輸送艦は空母船形を採用し、ヘリコプターの離発着が可能な平甲板を持つ。本艦は通常OH-1等など固有の航空機は搭載していないが、海外派遣や演習などで搭載していた状態だった、ということなのだろう。
ちなみにリンク先のタミヤの1/700ウォーターラインシリーズ「しもきた」は、平甲板部分が透明パーツになっていて、車輌など艦内に収容した機材などをそのまま見ることが出来る。私はこれが発売されたことを知らず、透明パーツが同梱されていない1番艦「おおすみ」を買ってしまい、後から大変悔しい思いをするハメになった。

ということで、今回はかなりミリオタテイストでお送りしてみた。