武蔵野読書生活

神保町と古書店、そしてうまいカレーが好きな本好きのブログ

『アイアムアヒーロー』&『学園黙示録 ハイスクール・オブ・ザ・デッド』


ビッグコミックスピリッツ』で花沢健吾氏が連載中のホラーコミック『アイアムアヒーロー』、昨日既刊全三巻を遂にプチ大人買い。前は職場で読んでいたのだが、毎週細切れで読んでいることにガマンできなくなり、遂に単行本に手を出した次第だ。

ゾンビが登場する作品として有名なゲームやコミックとしてバイオハザードや後述する『学園黙示録 ハイスクール・オブ・ザ・デッドがあるが、『アイアムアヒーロー』から滲み出る恐怖感も相当なものだ。主人公は小心者かつ妄想癖のある元漫画家鈴木英雄35歳。今や連載を打ち切られ、売れっ子エロ漫画家のアシスタントに身をやつしている。恋人がいるが、彼女の元カレはヒット作を抱える一般漫画家でそれも鈴木英雄のコンプレックスを刺激する要素となっている。そんな日常で鬱屈を抱えて毎日を生きていた主人公だが、ある日、仕事帰りに車にはねられ首が折れたのにそのまま立ち去る女性を目撃する。彼女に話すが彼女は信じない。そしてじわじわと主人公や恋人の周囲にゾンビ化する奇病が迫ってくる。そして遂に社会が崩壊する時がきた…。
とまあ、こんな感じでグイグイと不可思議な恐怖ワールドに引き込んでくれる。ちなみに第2巻の冒頭、詳しくは書かないが鈴木英雄と彼女とのストーリーはおぞましくも悲しい展開で「ああ、花沢健吾はいいハナシを描くなあ」と感じた次第だ。

なお、主人公鈴木英雄は作者花沢健吾氏ご本人がモデルなのか、本人そっくりに描かれている。アシスタント先の職場でとうとうとコミック論を語るあたりも、もしかすると作者本人の持論なのかもと思っている。また、第3巻巻末にコミック本編に登場した英語台詞の和訳対照表が付いていたが、このサービス精神がなんとも心憎い。今後の展開に目が離せない作品だ。


エロス、バイオレンス、そしてホラーと言えば『学園黙示録 ハイスクール・オブ・ザ・デッド

こちらもゾンビがキーワードになるコミックだが、『アイアムアヒーロー』とはだいぶ方向性が違い、エロスやバイオレンスの味付けがほどよい感じで、ホラーというよりはサバイバル系のエンターテインメント作品だ。

主人公は床主市と呼ばれる日本にある架空の大都市に住む男女高校生。ストーリーは平和な学園生活が突如、ゾンビ化する奇病によって断ち切られるところから始まる。突如、教師や級友がゾンビ化し、周囲の人間に襲いかかる。社会は崩壊し、正常な人々は孤立し、ゾンビ化した人だけでなく、未感染な正常な人間同士の争いをも生き抜かなければならなくなる…

コミック原作者は佐藤大輔氏。以前より『凶鳥“フッケバイン”―ヒトラー最終指令』などゾンビが登場する仮想戦記小説などを執筆していたが、魅力的な女性を描くことで定評のある佐藤ショウジ氏と組んで書き下ろしの原作を手がけたのが『学園黙示録 ハイスクール・オブ・ザ・デッド』だ。前世紀からの佐藤大輔ファンとして、遅筆の佐藤大輔氏が原作者と言うことでちょっと不安な部分もなきにしもあらずではありますが、リンク先の表紙にあるように大変魅力的なボディを持つ女性陣の今後の運命が大変楽しみ…いや気になるわけであります。なお、第6巻は7/9発売、今から楽しみだ。
加えて『学園黙示録 ハイスクール・オブ・ザ・デッド』はアニメ化され、7月から地上波深夜帯で放送されることが決定している。願わくば『学園黙示録 ハイスクール・オブ・ザ・デッド』の成功を元に、中断している『皇国の守護者』や『レッドサンブラッククロス』の再開を希望するものでありますw。