武蔵野読書生活

神保町と古書店、そしてうまいカレーが好きな本好きのブログ

『世界征服は可能か?』

970年代の日本の特撮やアニメに出てくる悪役は、異星人なら地球征服、同じ地球人なら世界征服というお題目を唱えていることが多かった。私も子供の頃は、それらに出てくる悪の組織に影響されて、世界征服というものを妄想したことも…

本書は、その「世界征服」というものが現代においてどのような手段なら可能か、さらにいかほどの価値を持つのかを、いたってマジメに検証した書籍だ。著者はあの『オタキング』として有名な岡田氏だ。さすがサブカルに造詣の深い岡田氏だけあって、世界征服を目論んだ悪の組織の例として取り上げているのは、ドラゴンボールのレッドリボン軍やフリーザ、レインボーマン死ね死ね団など1970年代から90年代の著名な作品に登場したモノばかりだ。
それに現代のアメリカの戦略などを絡めて、極めて軽快に話を進めていく。結論はやや強引な感じがあるが、まあ著者らしい皮肉と思えば納得できるのではないかな。
ちなみに本書の対象読者は、結構年齢層が高い感じがしますね。取り上げている悪の組織の例も結構70年代から80年代が中心だし…。たぶん40代中心ってトコですかね。
本書はイイ年の大人が、肩の力を抜きながら息抜きに読む「世界征服」方法論ということですかね。