武蔵野読書生活

神保町と古書店、そしてうまいカレーが好きな本好きのブログ

世界の戦争博物館 (歴史群像シリーズ)作者: 三野正洋出版社/メーカー: 学研発売日: 2006/08メディア: ムック クリック: 12回この商品を含むブログ (1件) を見る

諸外国にあって日本にないものの一つが戦争博物館だ。日本で各種兵器を見に行こうと思ったら、日本各地を廻らないとならないことが多い。例えば三式戦飛燕や四式戦疾風は知覧へ行かないと見ることができないし、二式飛行艇は前はお台場で見ることが出来たが、今では鹿屋まで行かないと見ることができない。
こういう貴重な歴史的遺産をどこか一カ所にまとめ、教育的な展示物として見せることができないあたりが日本の文化的な損失ではないのか、と思う。
IT成金の金持ちが宇宙に行く、とか言うのを聞く度に、こういうことにお金を使ってくれればいいのになあ、と常日頃思うんですけどね。まあ、名を残す金持ちならそうするだろうなあ…と妄想するワケですがw

というわけで『世界の戦争博物館』を見ると、世界各国の博物館が紹介されており、その中には動態保存された航空機や戦車も多数紹介されている。残念ながら日本では動態保存された兵器を見ることはできないといっても良いだろう。動態保存された兵器がある博物館は、例えれば生きている動物を見ることができる動物園に相当するわけで、動いている兵器を見ることは、当時の技術や戦術思想などを理解する上で大きな助けになると思う。
日本では航空祭や観艦式、総火演くらいしか動いている兵器を見ることができないが、ぜひ機会があればこれら動態保存された過去の兵器を、本書を片手に海外の博物館やイベントを訪れて見て欲しい。

写真は1995年に龍ヶ崎飛行場に飛来したプレーンオブフェイムの零戦とP-51Dムスタング。ぜひまた来て日本の空を飛んで欲しいものだ。