武蔵野読書生活

神保町と古書店、そしてうまいカレーが好きな本好きのブログ

世界の戦闘機・爆撃機 (学研の大図鑑)作者: 小室克介出版社/メーカー: 学習研究社発売日: 2003/03メディア: 大型本 クリック: 4回この商品を含むブログ (2件) を見る

最近、買って放置していた飛行機食玩の組み立てに忙しい。P-61Aブラックウィドウ、P-61Bブラックウィドウ、He219ウーフー。そして我が日本の二式複座戦闘機屠龍、自衛隊の救難飛行艇US-1A…
これら食玩は塗装までは済んでいるので、あとは脚などを付ければフィニッシュというお手軽さ。できあがれば立体模型図鑑として楽しめる訳だ。

で、きちんと説明書を取っておけば良いんだけど、だいたいそのうちに無くしてしまうことに。
まあ、見ればどの機体がどういう型番で愛称は、製造メーカーはどこ…みたいにスラスラ出てくる人は良いんですが、そうでない人には何か手がかりになる参考書があると便利です。
うちではビジュアルと網羅性から使っているのが学研の『学研の大図鑑 世界の戦闘機・爆撃機』です。これは元々昭和の刊行でやや内容が古くなっていたのを、数年前に内容を一部改訂して再刊された図鑑です。
第一次世界大戦の布張複葉機から最新の無人機まで網羅し、一通り読めば主要各国の航空機発達史が頭に入りますし、必要に応じて調べる、という使い方も出来ます。
見ていて興味深いのは、第二次世界大戦までの各国の航空機のデザインは、かなり国ごとに違う、ということです。それぞれの国ごとに理屈付けがある訳ですが、デザイナーの思想が機体デザインから見えてくる訳でなかなか面白いです。独ドルニエの飛行艇の水上安定板や、ソ連機の空飛ぶ戦車とも言える徹底した防弾システム、日本機の非力なエンジンによる華奢なデザインと、対してアメリカ機の大馬力エンジンにモノを言わせたマッシブなデザインなどなど…
勿論専門家の調べ物には全く物足りないので、マニア以上の知識を求める人は、文林堂の世界の傑作機シリーズのような機種別の詳しい書籍を入手されることをお薦めします。
とまれ本書は、ちょっとした調べ物の手引きとしてお勧めの一冊です。

画像は食玩1/144のHe219ウーフーで作ったミニジオラマ。出撃前にケッテンクラートで滑走路に牽引されているトコロ。個人的にはウーフーは、第二次世界大戦の枢軸国側でもっとも完成されたデザインを持つ夜間戦闘機じゃないかな、と思います。機体も大型でいかにも戦闘的なデザインだし、機体各所から突き出しているアンテナ群(それも八木・宇田アンテナですしね)もマニアゴコロを充分にそそります(笑)。ああ、大戦末期の日本にもウーフーがあればなあ、と思います。