武蔵野読書生活

神保町と古書店、そしてうまいカレーが好きな本好きのブログ

小松左京氏の思い出

いささか旧聞に属するが先頃小松左京氏が逝去された。日本SF界の巨人として数々の作品を我々に読ませてくれた巨人がいなくなった空白感は、私のような末端のSFファンであっても一抹の寂しさを感じるわけだ。
ちなみに「小松左京氏との思い出」とあるが、残念ながら直接お会いしたことはないので、その手のエピソードを期待されている方には申し訳ない。

私が物心ついた頃、世間を騒がしていたのはアポロ計画と大阪万博だった(明るい話題では、ということだが)。当時は高度経済成長の爛熟期に入りつつあり、サイケやサブカルチャーなど何気に退廃的な文化(と幼心に感じた)も姿を見せつつあったが、未だ科学万能信仰的なものが良くも悪くも人々の間に蔓延していたような気もするんだよね。

テレビでは子供向けに宇宙モノや未来モノが頻繁に放映されていた覚えが。なかでもNHK人形劇「空中都市008」は幼児だった私のお気に入りの番組、毎回食い入るように見ていた覚えがある(話の内容はまったく記憶にないがw)。そして未だ白黒だった実家のテレビから流れる映像は、頻繁に放映されるアポロ計画のニュースと混濁し、現実とも架空とも付かない話として私の中で受け止められていたんだよね。
ちなみにこの作品の原作は小松左京氏で、周知のように小松氏は大阪万博にも関与されており、私が当時目にする様々な情報に多くの影響を与えていたことを後に知ることになるわけだ。

ということで、私が今SFファンだの宇宙機ファンだのになったのは小松氏の影響なのだな…ということを改めてかみしめている次第。

合掌

東北新幹線車内での線量値測定

先日、東北新幹線に乗車した際にiPad+ポケットガイガーで測定した線量値をpachubeで表示させたグラフだ。車内のテーブル上にポケットガイガーを上向きで設置し降車時まで放置して測定した。
ちなみに東京から一関まで東北新幹線を利用、一関からは東北本線(在来線)に乗り換えている。素人の簡易測定、かつ高架やトンネルが多く遮蔽された車内での測定ということで、線量値はあくまでも多寡の程度を知ることができるレベル、と考えて頂きたい。

モバイルでの線量計データをインターネット経由で全世界に公開する

先日、廉価版線量計のタンジブルデザイン製「ポケットガイガーKIT for iPhone」を入手した。価格は3500円でこの手の線量計としては破格の安さだ。ちなみに「ガイガー」と名乗っているが、線量測定は半導体を用いるもので、いわゆるガイガーミュラー管は搭載されていないので正確にはガイガーカウンターではない。


今回、この「ポケットガイガーKIT for iPhone」の測定データをiOS用アプリ「GeigerBot」を利用してpachubeにアップしてみた。

pachubeを使うことを思いついたのは、ログを残したい、後から見なおしたい、という理由だ。「ポケットガイガーKIT for iPhone」用専用アプリ「ポケガイガー」は現行版ではログを残せないという弱点がある。そこで同じくアイフォンの音声入力から線量を割り出すアプリ「GeigerBot」を用いることでログを残すことを考えた。この「GeigerBot」はpachube(パッチベイ)という米国のサイトにデータを送る機能を持った優れもののソフトだ。しかも無料だし。

このpachubeとは、米国の各種データ公開サイトで気温や湿度、放射線測定値などが世界中からアップされ、日々更新されている。このpachubeを使うメリットは、1.ログを最長一ヶ月残せる、2.全世界にデータを公開できる、というものだ。なお、「GeigerBot」はメールでもログを残せるようだが、どうも送出する操作がマニュアルを読んでもわからず、そちらは放置したままだ。

ポケットガイガーKIT for iPhone」「GeigerBot」「pachube」を組み合わせることで、モバイルで測定したデータを手軽にネットに送信し、気軽に閲覧できるシステムが構築できるわけだ。さらに「ポケットガイガーKIT for iPhone」用専用アプリ「ポケガイガー」ではその場限りで消えてしまう測定データを、アイフォンの3G回線/WiFiを利用することでほぼリアルタイムで遠隔地からも閲覧でき、最長一ヶ月はログも残せる。

ただ、問題は「GeigerBot」と「ポケットガイガーKIT for iPhone」を組み合わせた時の各種パラメータがどこにも載っていないこと。まあ、そもそも組み合わせて使うなぞ、誰もまだやってないんだからしょうがないんだけど。ということで週末を使って、数値の組み合わせをいろいろ試した結果、なんとか「ポケットガイガーKIT for iPhone」用アプリ「ポケガイガー」の数値とpachubeで表示された数値が近似する組み合わせを見つけることができた。もちろん、この数値は私が試行錯誤しつつ導き出した設定値なので、間違っている可能性もある。また、本設定を利用される場合はすべて自己責任でお願いしたい。もし、違う設定で試している方がいたらぜひ情報を共有して頂ければと思う。また、この設定はiPhone 3GS/iPad(初代)で動作確認しているが、その他の機種、例えばiPhone 3Gでは異なる設定になる可能性があるようだ(リンク先記事参照)。それらも勘案の上、お読み頂ければと思う。

◎設定

アプリの入手

iOS用のGeigerBot、AppStoreから入手する(無料)。なお、画面はiPad用だ。


設定

「Setting」を開く。


データ入力の数値を設定する

「詳細」を開く。ここで「実効値測定間隔」=8、「ディレイ間隔」=18、「x実効値測定間隔」=1000にそれぞれ設定する。設定が済んだら左上の「Setting」をタップする。


変換係数を設定する

「Setting」で「変換係数」をタップし、「変換係数」の設定画面にする。「変換係数」=35に設定する(※追記 その後当方は「6」に変更して運用中、こちらの方が当方の運用環境ではGM管式線量計との整合性が高いように感じている)。設定が済んだら左上の「Setting」をタップする。


pachubeの設定

pachubeにアクセスする。データをpachuneで公開するにはアカウントを取得する必要がある。無料アカウントでは公開可能なデータは5個までとなっている。サイトの説明に従いアカウントを作成する。その後、転送用のAPIキーを取得するため、画面右側のメニュー「My API keys」クリックする。


API Keyの取得

「My API keys」画面を開いたところ。上段の「Your Master API Key」に表示されている暗号キー(モザイクが掛かっている文字列)をメールにコピーし、iPhone/iPadに送る。根性があるなら手入力しても構わない。


入手したAPI KeyのGeigerBotへ入力

「GeigerBot」の「Setting」→「Pachube」設定画面を開いたところ。最上段のAPI Keyに先ほどpachubeで取得した暗号キーを貼り付ける。feed ID(取得した自分のアカウントのID)、「Datastream」[1][2]でpachubeに送るデータを設定する。なお、「Datastream ID」は適当な数字で構わないようだ。要はpachube側とGeigerBot側でそれぞれ同じ数字になっていればOK。


pachubeにフィードを設定する

pachubeにアクセスし、右側の「My account」メニューから「Create a Feed」を選ぶ。画面は「Create a Feed」の設定。GeigerBotとdetastream番号やfeed IDを合わせ、「CPM」「μsv/h」などを正しく設定する。解説文はわかりやすく、また外国語でも説明を付けておくといいだろう。最後に最下行の「Save」をクリックすれば終了。


データの表示

データを送出させてみたところ。GeigerBotのデータがpachubeに届かないと、グラフそのものが表示されない。グラフが表示されていない場合は、送出側受信側いずれかの設定ミスなので確認すること。グラフが表示されていれば設定成功。お疲れ様でした。
なお、β線を遮蔽するフィルタを取り付けないと不正確かつ高い測定値が出るので要注意だ。

簡易モニタリングポストを自宅に設置

東日本大震災以降、公私とも多忙で日記もすっかりご無沙汰になってしまった。ということで梅雨が明ける前に再開w

さて、こんな本が売れている。

震災便乗本の一種だけど、なかなかどうして中身は濃い。ガイガーカウンターの仕組みから、入手可能なガイガーカウンターのカタログ、そして放射線源となる物質や器具について簡潔にまとめられている。通称「アトムレンズ」というトリウム混入レンズについては久しぶりに思い出させて貰った。

実は先日ガイガーカウンターを購入した。実は実家は福島第一原発から200kmちょっとのところにあり、十数キロ離れたお隣の自治体にホットスポットらしきものがあるというニュースも流れるような状況だ。当然、震災以降は何かと放射線量が気になることが多く、実家敷地内の線量測定をやろうと思い立ったのだ。

ただ、仕事が忙しく、なかなか実家には出向けそうもない。そこでまず手始めに線量計をUSBに接続し、Pachube(パッチベイと読むらしい)を使って計測した線量データを全世界に公開してみた。まあ、自宅近所には有名な日野でガイガーカウンター測定情報を公開している方がおり震災以降はそこの情報を参考にしていた。が、なかなか事態も収束しないことから個人的にも調べてみたくなったということだ。

https://pachube.com/feeds/29186

60秒毎に室内のγ線を計測し、「counts/minute」と「microsieverts/hour」を数値とグラフで公開している。
で、参考にしたのはこのサイト。

DEVICE/Sensor/ガイガーカウンタ
YAPAN.org/レシピ39:自分の生活環境の放射線量を計測したい

ちなみに当方の勘違いで設定に手間取り、いつまでたってもPachubeにデータがアップできず大変焦った。おまけにPachubeは、データが流れてこないとフィードのエリアにGraph Builderのアイコンが表示されないため、グラフ表示の方法をネットで探し回ったり大変だった(グラフ表示はデータさえ流れてくれば表示される仕組みのため、Pachube運営側にとってはあまりに当たり前すぎてそんな入門レベルのことは全く載ってないw)。てんやわんやだったが、なんとか現在は無事Pachube経由で公開できた。上のサイトの管理者には感謝したい。
なお、参考までに苦労したgm.dfgの内容を公開しておく。

      • -

Feeds: XXXXX.csv(伏字:Pachube側で生成したFeedのID+「.csv」の文字列)
MasterApiKey: YYYYYYYYYYYYYYYYYYYYYYYYYYYYYYYYYYYYYYYYYYYYYY(伏字:Pachube側で生成したMasterApiKey文字列)
Host: api.pachube.com
rate:0.00233(cpmからμsv/hへの換算レート)

      • -

なお、表記はcpmのみだが、Twitterでも15分置きに線量情報をツイート中だ。
http://twitter.com/#!/USB_Geiger

ちなみに「アトムレンズ」、ウチにもSMCタクマーのレンズが2本あるので気になって計ってみたが平常値だった。
一安心というところだな。

震災関連情報まとめメモ 3/15
今回の地震、多くの方が亡くなられ、かつ被災されて今も不自由な生活を送っている。
私も実家が内陸地域ですが被災エリア近傍にあり、知人や親戚が仙台、茨城など被災エリアで生活している。
そこでいろいろな機関や企業が情報をWeb上で提供している情報を簡単だがメモ的にまとめてみた。なお、項目名の後の日付は記載日時。また、情報は随時更新する予定。



●震災地域に関する情報

ライブ船舶マップ 3/18

震災地域沖合に展開している海自艦艇・海保船艇の動向をほぼリアルタイムで知ることができる。3/18昼の時点では海上自衛隊「ひゅうが」、海上保安庁「しきしま」「つがる」「ちくぜん」「おおすみ」「せっつ」「やしま」「しきね」が展開し、捜索・救難活動を行っている模様だ。


[交通]

国土交通省:交通関係の復旧状況 平成23年3月16日(水) 8時00分 現在 河川局防災課・国土地理院 3/16
沿岸諸都市に輸送路はほぼ繋がった模様。港湾も使用可能な箇所が増えている。


国土交通省:交通関係の復旧状況 平成23年3月15日(火) 12時00分 現在 河川局防災課・国土地理院 3/16
物資輸送の状況(3/15現在)


自動車通行実績マップ 3/15
ホンダのカーナビの情報から作成されている通行情報。


[連絡]
Google Crisis Response:東日本大震災(東北地方太平洋沖地震) 3/15
伝言ダイヤルや公的機関の緊急連絡先などの情報を掲載。



[各種情報]
宮城県:災害発生情報 3/15
※3/12発生の震災については防災ブログで呼びかけを実施中。



[避難所]
Google Crisis Response:避難所情報 3/15
東北、関東地域の避難所を地図上に記したもの。ただし、山形や秋田などは表示されていない(3/15 15時現在)。


岩手県避難情報:IBC安否情報 3/15
岩手県内で避難されている方の情報。


岩手県版 ­­炊き出しま­­っぷ、緊急­­避難場所 Meal Supply & Evacu­­ation places 3/15


宮城県版 炊き出しまっぷ、緊急避難場所 Meal Supply & Evacuation places 3/15


福島県版 炊き出しまっぷ、緊急避難場所 Meal Supply & Evacuation places 3/15


茨城県版 炊き出しまっぷ、緊急避難場所 Meal Supply & Evacuation places 3/15


[地図・衛星写真]

Google被災地衛星写真 3/15
グーグルが公開している被災地の衛星写真


世界で発生した最新の地震マップ 3/15
東北沿岸を見ると多数の余震が発生していることが分かる。


ちず丸地震情報(仮) 3/15
こちらは日本周辺のみの震源を表示。



●防災


国土地理院平成23年(2011年)東北地方太平洋沖地震の地震後の変動と滑り分布モデル(暫定) 3/16
今回の地震での地殻変動についてレポート。

総務省地震のゆれやすさ全国マップ 3/15


国土地理院電子国土で見る 都市圏活断層図 3/15



●原子力関連

東北関東大震災・非公式・放射性物質モニタリングポストMAP / Japan quake radioactive material monitoring post MAP 3/16
東海村等の測定情報をほぼリアルタイムで表示するもの。



●計画停電関連

計画停電マップ 3/15
Google map上に停電地域の情報を重ねたもの。


計画停電エリア検索 3/15
郵便番号を入力すると停電時間帯を表示するもの。

以上。

「星空の二人」…ハードSF作家謹製のお手軽屋台料理をしばし堪能

昔、出版社に勤めていたとき、仕事柄遅めの昼飯を摂ることになるが、だいたい手早く済ませるべく近所の牛丼屋や社内ワゴン販売のサンドイッチ、コンビニ弁当になりがちだった。ただ、小さな楽しみは週に二回、本社社屋脇の小さな広場にバンで営業に来るカレー屋さんだった。バンの後部に据えた寸胴から小さな発泡スチロールのトレイに盛られたタイカレーやインドカレーなどエスニック料理を手軽に食べられるのがちょっとした贅沢にもなっていた。屋台営業で来ていたのはたぶん30代とおぼしき青年で、将来店を持つために都内三カ所で営業している、と語っていた。当時はまだそういう形態はあまり見かけなかったが、今では大手町や有楽町、新宿などに屋台村が営業していて、もっと気軽に食べられるようになったけど。数年後、人づてに彼が店を持ったと聞いて行ってみたが、彼はこちらを覚えていなかった。が、味は当時の雰囲気を残していて、ちょっとだけ遠い日を思い出させてくれた。

「星空の二人」は今や仮想戦記作家にしてSF作家、冒険小説でも知られる谷甲州氏の短編集だ。「航空宇宙軍史」シリーズ、「覇者の戦塵」シリーズなど愛読者も多いだろう。もちろん、私もその一人だ。冒頭、屋台の話を書いたのは、大作家の短編集、それも世界観が統一されていない場合は、なんとなく屋台で出す「味は一流だがボリューム感ではチト不満」というイメージで連想したからだ。短編集だから「ああ、もっと読みたい、読ませてくれ」と深追いしても次のページをめくると、別の世界観と主人公が待っている。ただ、本店、つまり長編作品で思う存分腕をふるう谷氏の片鱗を、この書籍に収められた短編は、短く濃縮された形で我々読者に味あわせてくれるのだ。
私的にはさいきんお留守気味の「航空宇宙軍史」シリーズのもっとも未来の時代を構成する作品として「ガネッシュとバイラブ」が読みたくて本書を手にしたが、本書にはハードSF作家として知られる谷氏にしてはやや暴走気味の"スラップスティックコメディ"系短編なども収録されている。ハードSF好みの読者の中には、あまりお好みではない向きもあるだろうが、「甘いあんこに塩ひとつまみ、汁粉は一層味が引き立つ」的な意味で捉えればそれもあるいはありではないかと思う次第だ。
ハードSF系作家にして仮想戦記系といえば故・光瀬龍氏という偉大なSF作家が居た(過去形なのは大変残念だが)。彼も「派遣軍還る」や一連の「東キャナル市」作品など星間文明史シリーズで堅い作品を生み出したかと思えば、同じ世界を舞台に「猫柳ヨウレの冒険」というスラップスティック系作品も創造している。谷氏も負けず劣らずでコメディ大長編を我々読者に提示して欲しいものだ。いっそ、航空宇宙軍史シリーズと世界観を共通にしたコメディ作品というのも面白いかもしれないが…

ちなみに表題「星空の二人」もハートウォームな短編で読後感さわやか、まさにオススメの一品ですな。

ヤマト大クロニクル…ファンならば一読の価値がある好著

ヤマト実写版「SPACE BATTLESHIP ヤマト」を見てきた。様々な前評判があり、さらに先に見た人々の評価等々、期待と恐れを持ちながら映画館に足を運んだ。

もう、冒頭から泣ける泣ける…、沖田艦とゆきかぜのエピソード、沖田艦を追い抜いて地球に落下する遊星爆弾、ヤマト乗員と地球に残した家族との交信シーン…などオールドファンなのでツボにハマりまくり。実写版を通じて初作のすごさも改めて認識した次第。
主役キムタクは好悪評判様々だが好演していた印象(いつ「ちょ、待てよ!」と言うかと期待していたが言わないし)、健康的なお色気を発散する黒木メイサの「漢」っぷりもイイ。一番ハマっていたのはギバちゃんの真田さんだな。本人も総統wじゃない相当真田さん好きみたいで演技に違和感が全くない。あと忘れちゃならないのが橋爪功演じる地球防衛軍長官。これがまたカッコイイんだよな。取材記者を一喝するシーンや沖田とのやりとりとか… ああいう上司のもとで働きたいと強く感じたのでありました。まさかデスラー、というか伊武さんもまさかあんな形で登場するとは思わなかったし、あそこはホント、ファンサービスだよなあ。
もろもろ楽しみつつあっという間に2時間終了。ただ戦闘シーンは今風なんだけど、エヴァとかスターシップトルーパーズの影響が感じられたのは気のせいか?
それでも2時間ちょっとの時間制限の中で、あれほどの広がりを持った作品をまとめきった上で、続編制作のスケベ心なしで完全燃焼させた山崎監督の心意気は大いに買いたいところだ。

このタイミングに合わせて松本零士氏監修、伊藤秀明氏編集で「ヤマト大クロニクル」が登場した。オールドファンなら徳間書店の「ロマンアルバム」シリーズを覚えているかもしれないが、まさにあのイメージで各種設定資料やインタビューが掲載されている。

本書には「宇宙戦艦ヤマト」第一作の貴重な設定資料やセル画、背景画等がカラーで100ページに渡って掲載されている。カラーページは全部で130ページなので、ほとんどが第一作の資料紹介に割かれていると言うことになる。かつてのロマンアルバムでは設定資料は紹介されても、実際に使用されたセル画そのものや番宣資料等はあまり掲載されておらず、数十年にわたってヤマトファンをしている私も初見のものがほとんど。まさに貴重な資料満載で歴史的な資料価値も高い一冊だ。
2009年の「ヤマト復活編」やパチンコ「CR ヤマト」など相変わらず根強いヤマト人気が続く中、資料が散逸する前にこのような名著が世に出たことを素直に喜びたいと思う。ということで最近は晩酌しながらちょっとずつ本書を読むのが楽しみなのでありましたw